べっ甲ピックの魅力、べっ甲ピックの製作過程、べっ甲ピックのアーティスト

べっ甲ピックの価格について


べっ甲とは?

べっ甲は、「タイマイ」と言う亀の甲羅を加工して作ります。「タイマイ」の甲羅はそのタイマイの生息地、タイマイの甲羅の部位で色や模様、硬さなどが違いそれによって「値段」=「稀少価値」も違います。

日本では東南アジア産のタイマイやカリブ海産のタイマイを多く使用しています。

東南アジア産のタイマイは一般的なべっ甲細工に使用され、カリブ海産のタイマイより安値で仕入れされます。

カリブ海産のタイマイは東南アジア産のタイマイより高値で取引され、高級なべっ甲細工の原料になります。

東南アジア産とカリブ海産

東南アジア産のタイマイとカリブ海産のタイマイはどこが違うのでしょう。

簡単に言うとカリブ海産のタイマイが「柄が綺麗」なのです。

昔からべっ甲は、「装飾品」として愛用されています。当時からべっ甲は「貴重」で「高価」だった為、今で言う「セレブ」の装飾品だったのです。一般人は高くて買う事が出来ませんでした。

「セレブ達」は、競って「柄が綺麗なもの」を求めるようになり、「美しい鼈甲」がべっ甲の価値を決めるようになり、現在でもその評価は同じです。

東南アジア産は、カリブ海産より「色が黒い」ものが多く、タイマイの食べ物の違いも甲羅の色を決める原因のひとつと考えられています。

カリブ海産のタイマイは「海草」を多く食べる、東南アジア産のタイマイは「海草以外」を多く食べるとも言われています。
ただ、本当のところはわかっていません。

しかし、実際甲羅の色の違いはあり甲羅の厚みも違います。

やはり、カリブ海産のタイマイの甲羅が綺麗で厚いものが多いのです。

甲羅の部位について

例えば同じ東南アジア産のタイマイの甲羅でも、その部位によって価値が変わります。

下の写真をご覧ください。(東南アジア産のタイマイ)

画像の説明

甲羅は、「本甲」「腹甲」「バサツメ」「本ツメ」と4種類あり、この部位でも価値が違います。

甲羅の「本甲」と言う部位は13枚、「バサつめ」は18枚、「本つめ」は4枚、あと腹の部位の甲羅「腹甲」が12枚あります。この数は、どのタイマイも同じだけあります。

画像の説明

「本甲」が一番面積があり、常に太陽光に当たっていますので「色が黒く」「量も多い」ため、価値も最低になります。一般的に鼈甲はこの部位を使用します。

次に「腹甲」「バサつめ」は、色が黄色く、特にバサツメは、甲羅の厚みも厚く、一枚の甲羅から18枚しか取れませんので、価値があります。

腹甲は、色は透明なのですが、厚みがバサツメより薄いものが多く、価値厚みで変わってきます。

最後に「本ツメ」と言う甲羅の尻尾の方は、4枚しかなく、色も綺麗で一番厚いため、最高級とされています。

甲羅は、「黄色い」部分が多く、「透明度」が高く、「厚い」ほど高価なんです。

東南アジア産の本甲が一番安く、カリブ海産の本ツメが最高級で取引されるわけです。その価格は数十倍にもなります。

現在の鼈甲業界

現在は、「ワシントン条約」で輸入が全面禁止されていますので、外国から原料が入りません。沖縄でも養殖をされていますが、商品として育つのには30年程度掛かりますので、今だ国産のタイマイは使用できないのが現状です。

また、30年経ったとしても個体数が少なく、長崎の鼈甲細工だけでもぜんぜん足りません。

現在、一部の大規模店はまだ、規制前の原料を在庫としてもっていますが、小さなべっ甲店や個人で営んでるべっ甲職人は、廃業したべっ甲職人やべっ甲業者の在庫を譲り受けていることが殆どです。しかし、いつまで原料の供給が受けられるかはわかりません。

また、譲り受けたとしても「本甲」(一番安い原料)以外の原料はなかなか、手に入らないのが現状です。また、その仕入れ値は日毎高騰している事も事実です。在庫が品薄になれば価格が高騰するのは、ガソリンを見ても明らかです。

東南アジア産の本甲でさえも、業者によっては仕入れが出来なく、やもなく廃業に追い込まれてしまう事が多いのが現状です。

その一番安い本甲でさえも、輸入していた頃と比べると何倍も仕入れ価格が高くなっています。

くずの甲羅と1枚もの甲羅

アクセサリーなどの装飾品は、小さい甲羅を何枚も重ねて、圧縮し1枚の厚い甲羅にし作ります。その為、いわゆる「くずの甲羅」でも細工が出来るわけです。(もちろん圧縮するのは、大変な技術です)

ところが、べっ甲ピックは「装飾品」ではなく「道具」なので何枚も重ねた甲羅では欠けてしまう事があり、「一枚ものの甲羅」を使用しなければなりません。

一枚ものの甲羅(東南アジア産)

ピック 046.jpg

くずの甲羅と比べ、この一枚もの甲羅がとても高価でなかなか仕入れるのが年々難しくなっています。


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